漿膜下子宮筋腫の捻転とは?
- 急性腹症の稀な原因の1つ。
- 疼痛は卵巣腫瘍茎捻転より強い。
- 正常卵巣が同定される。
- 充実性腫瘤の捻転として認められる。
- 他は、卵巣腫瘍の茎捻転の所見とほぼ同じであるが、捻転茎は細くて目立たないことが多い。
- 手術の遅れは命にかかわる。∵茎捻転→静脈鬱滞→動脈閉塞→出血性梗塞→壊死→感染→腹膜炎→敗血症と経過することがあるから。
漿膜下子宮筋腫の捻転のMRI画像所見は?
- 腫瘤と子宮との連続性:捻転茎の同定
- 両側の正常卵巣の同定(卵巣病変の除外)
- 腫瘤の造影効果の欠如
- 腫瘤内の出血
症例 40歳代女性 下腹部痛が続く
腹部造影CTで子宮の腹側に子宮と連続性を有する造影効果不良な巨大腫瘤あり。腹水貯留あり。
子宮の背側には漿膜下筋腫を認めており、こちらの造影効果と比較しても明らかに造影不良であることがわかります。
MRIのT2強調像の矢状断像では、低信号を示し、典型的な筋腫を疑う所見です。
子宮と連続性を認め、beak signを認めており、捻転が疑われます。
造影のサブトラクションにて、子宮の造影効果に比べて、筋腫の著明な造影不良を認めており、漿膜下子宮筋腫の茎捻転と診断されました。
手術にて反時計回りに270°捻転していたことがわかりました。