後嚢切開後の眼内レンズ交換手術(67歳男性 初回術後16ヶ月, 3焦点→単焦点,支持部切断,嚢外固定)
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2023-9-1 10:35
白内障手術PEA+IOL;成熟白内障mature cat③
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白内障手術PEA+IOL;成熟白内障mature cat①
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軽度の白内障があり先進医療に入っていたため、多焦点眼内レンズを使って白内障手術をし、術後に視力検査の値自体は改善しましたが、『かすむ』『なんとなく見えにくくてイライラする』『読書する気になれない』などの不快症状が続き、眼瞼下垂手術や後発白内障に対し後嚢切開(YAGレーザー)も行ないました。しかし、やはり症状の改善はなかなか得られず、多焦点レンズのコントラスト低下によるwaxy visionが症状の原因と考え、多焦点レンズを取り出し、単焦点レンズへ変える手術(眼内レンズ交換)を行いました。
通常、眼内レンズ交換は術後1ヶ月以降は難しい、後嚢切開を行っていると、できないと言われることもありますが、条件次第では可能かと思っています。この患者さんでは術後1年半近く経っており、レンズの支えが水晶体の袋(水晶体嚢)に完全に癒着し、剥離が困難であったため、支えを実際のレンズ部分(光学部)から切り離し、光学部のみを取り出しました。後嚢切開をしていると、水晶体嚢の中にレンズを固定することは難しいため、水晶体嚢の上に乗せる形でレンズを固定しています(嚢外固定)。この方法では乱視を矯正するレンズが使えないのですが、この患者さんでは矯正を必要とするほどの乱視はなかったので、この方法が使えました。また、後嚢が切開されていると、その奥から硝子体が前の方に出てきますので、その処理が必要になります。
レンズを水晶体嚢ごと取り出し、新しいレンズを支えを目の壁に埋め込んだり、縫い付けて入れる方法(眼内レンズ強膜内固定・縫着)もありますが、やや大きな手術になったり(強膜内固定では硝子体手術も必要)、乱視が出やすかったりレンズ度数の計算も若干ズレやすいこともあり(そうでもないという意見もあるかもしれませんが)、今回は単純なレンズ摘出とレンズ挿入による眼内レンズ交換を行いました。
この動画は編集してありますが、実際の手術時間は31分と時間もやや長めになることと、硝子体の動きがあり、術後の網膜剥離には注意が必要かと思いますが、後嚢切開後でもいわゆる眼内レンズ交換は十分可能かと思っています。
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