グラバー鑷子を使った眼内レンズ交換
他医にて3ヶ月前に単焦点眼内レンズ(HOYA XY-1)による左眼の白内障手術を受け、ピントを近くに合わせたものの、思った以上に遠方が見えにくく、遠方が見えるようなレンズへの入れ換えを希望され、当院で手術を行いました。 術後3ヶ月の割にはレンズと水晶体嚢の癒着が強く、鋭針で粘弾性物質を注入し癒着を剥離しました。いつもはレンズを半分に切開して摘出していますが、今回は最近発売されたレンズ摘出用の鑷子”グラバー鑷子”を使い、レンズは切らずに2.5mmほどの切開創から取り出しました。眼内でレンズを切断する操作が不要でより安全に、また、創口への負担も少なく、余計な乱視を作らなくて済みそうで、とてもよい器具だと感じます。これで更に眼内レンズ交換はしやすくなると思いますので、白内障の術後にレンズが合わなくて困っている方には大きな恩恵となると思います。