2度目の眼内レンズ交換手術(60歳女性 初回術後5ヶ月,初回入換後3ヶ月 3焦点→単焦点,支持部切断)
一度、他院で眼内レンズ交換を行った後、2度目のレンズ交換の手術を当院で行った患者さんの手術動画です。
約5ヶ月前に他院で初回白内障手術を行い、単焦点レンズを挿入。レンズの焦点は近方を狙うもLASIK後のため、計算がズレてしまい近くが見えにくく、その2ヶ月後にまた違う医院で3焦点レンズ(PanOptix)への入れ換えを行いましたが、やはり近くは見えにくく、当院へいらっしゃった患者さまです。
3焦点への入れ換え後、3ヶ月で近くも徐々に見えてきたため、このままもう少し経過をみてもよいかとも思いましたが、『どうしても近くを見えるようにしたい』という患者さまの希望で単焦点への入れ換えを行いました。
手術はレンズの支え(支持部)が水晶体の袋(水晶体嚢)にかなり強く癒着しており、剥離操作で剥がれなかったため、支持部を切断し度数の入っているレンズの光が通る部分(光学部)のみを取り出し、新しいレンズを入れました。若干、水晶体の支え(チン小帯)へのダメージも考えられたため、チン小帯を補強するリング(カプセルテンションリング;CTR)も一緒に入れました。
3ヶ月後でもレンズ全体が剥離できる場合が多いのですが、この時期で剥がれなかったのは初めてです。Alcon製のレンズと複数回の手術はレンズの癒着が強い印象です。
経過については、まだ術後20日ほどですが、ピントとしては思ったより、遠くになっています。LASIK後の度数は考慮しましたが、複数回の入れ換えも度数がズレやすい傾向があり、また、予測の度数に落ち着くのにも時間がかかることが多いように思います。少しずつ近くにピントが合ってきているので、もう少し経過をみたいと思います。
この動画が、眼内レンズを入れ換えたいけれど、術後しばらく経ってしまって入れ換えができないと言われてしまっている患者さんや一度、入れ換えをしたけどうまくいかなくて、もう一度、入れ換えを検討している患者さんの参考になればと思います。
手術動画の使用を快くお許しくださった患者さんにも感謝します。どうもありがとうございましたm(_ _)m