強膜内固定 (眼内レンズ二次挿入) 山王台病院附属眼科・内科クリニック IOL Fixation with Double-Needle Technique
他院様で白内障術後、眼内レンズの挿入が困難で紹介となった症例です。
近年は、通常の手術で眼内レンズの固定(嚢内固定)が難しい時に、レンズを縫い付けるような手術(縫着術)ではなく、レンズの構造の一部を白目(強膜)に貫通させて固定する方法が広まっています。新しい分野の手術であり先駆者の先生方から適宜、改良された方法が発表され、過渡期にある手術です。
僕はこの手術の専門医ではありませんが、紹介が多いため、ある程度ですが当院としての手術方法が確立されてきましたので掲載してみます。
眼科医の先生方がご覧の場合:
・フランジ部の露出が嫌いなので、埋没後に生体糊を用いて、強膜、結膜を固定しています。
・IOLは参天社のNX-60か、特にlow powerではKOWA社AU6KAがメインです。
・当該症例は途中、IOLが下方偏位しているように見えるとご指摘がありましたが、前医様よりの硝子体嵌頓・瞳孔不整によるもので、嵌頓解除後は術後もIOLはcenterです。
・僕はIOLは6mm径で施行していますが、数十例、虹彩捕獲の経験はありません。