子宮体部の正常値
生殖可能年齢の場合
- 体部:長軸6〜8cm、左右径・前後径5〜6cm
- 体部:頸部の長径比=2:1〜3:1程度
- 特徴的な3層構造:漿膜側から筋層(高信号)、junctional zone(低信号)、内膜(強い高信号)
※junctional zoneがT2強調像で 低信号を示す理由として、組織学的に細胞が密で細 胞外腔が少なく、水分含有量が少ないことと、核密度が高いことが報告されている。
- 内膜の厚さは平均約1cm:月経周期により正常でも15mm程度になることはある。
- 3層構造は性周期(月経期→増殖期→排卵→分泌期→月経期…)に伴う変動が観察される。
- 月経期:子宮内膜は薄い。 分泌期後期:子宮内膜は最も厚くなる。 juctional zoneは月経時に不明瞭、あるいは肥厚する。 外層筋層は分泌期後半にやや信号が高くなる。
- つまり、分泌期後期において3層構造は最も明瞭。→子宮腺筋症の診断に適している。月経期には診断しにくい。
閉経後
- 体部:長軸5cm程度、左右径、前後径は約2cm
- 体部:頸部の長径比=1:1で、体部が特に著しく萎縮。
- 内膜の厚さは3mmを超えない。5mm以上を異常とする記載もある。
- junctional zoneは不鮮明で、筋層の信号は全体に低下する。