子宮内膜ポリープ
- 40歳台以降で見られ、不正性器出血の原因となる。
- 有茎性の大きなものから数ミリ大の隆起までさまざま。
- タモキシフェンの投与により頻度が高くなり、非投与群に比較して大きな内膜ポリープとなる傾向がある(平均5 cm)。
- 内膜ポリープは良性であるが、子宮内膜異型増殖症や癌が発生することがある。
子宮内膜ポリープの画像所見
- 典型的には、T2強調像で腫瘤の中心に低信号を示す線維性間質(central fibrous core:CFC)が見られ、高信号を示す小嚢胞構造を伴う。嚢胞部分は増強効果を欠くが、それ以外の部分は子宮筋層に近い強い増強効果を呈する。
- 子宮壁から連続するstalkが描出されることがあり、診断に有用。StalkはT2WIにて低信号を呈し、比較的よく造影される。
- 良性の内膜ポリープと診断する際にも癌の可能性を頭の片隅に置いておく必要がある。癌との鑑別はDWIが有効。
症例 80歳代女性 動画で学ぶ子宮内膜ポリープ
- 鑑別として、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫は強い増強効果を示すものが多いが子宮内膜癌は子宮筋層よりも弱い増強効果を示す。
子宮内膜増殖症(過形成)
- 内膜肥厚が主体だがしばしば内膜ポリープと鑑別困難。
- 病変内の性状は内膜ポリープに類似。
- StalkやCFCは認めない。
※ (参考文献)婦人科MRIアトラス P58-59