低侵襲緑内障手術;カフーク ab internoトラベクロトミー(Kahook dual bladeによる線維柱帯切開術)山王台病院附属眼科・内科クリニック
MIGS;低侵襲緑内障手術の一つである、カフーク 眼内トラベクロトミーです。
当院での開始後、半年以上が経過しました。現時点での標準術式を掲載してみます。
・10秒~;テノン嚢下麻酔
・1分15秒~;青色色素を注入し、流出が無いかを確認します。
・1分30秒~5分;白内障手術(既にIOL眼であれば不要)
・6分10秒~6分40秒;Kahook dual bladeで線維柱帯を約90°切開
・6分50秒~7分20秒;攝子で線維柱帯を剥離
・8分~8分15秒;吸引機IAで線維柱帯を吸引
・9分30秒;青色色素を注入し、上強膜静脈への流出を確認。
鼻側(画面上方)の白目が青くなる
・9分50秒;眼圧を少し上昇させ良好に流出することを確認。
表層の赤い血管は結膜の血管です。
上強膜静脈は結膜の奥側、深い位置で青く染まります。
*ここで目標とする眼圧での色素流出が認められない場合は、隅角をさらに広範囲に切開、または別の術式に移行します。
・洗浄、止血して終了
この患者様は術前に点眼薬を3剤使用して眼圧28mmHgでしたが、術後は緑内障点眼薬なしで11mmHgまで眼圧が下降しました。流出抵抗が線維柱帯にある場合は非常に期待できる術式です。