直視下手根管開放術の基本手技
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2023-10-13 09:30
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直視下手根管開放術の基本手技. 研修医, 新人整形外科医師対象:直視下手根管開放術は比較的簡単な手術でありますが, より安全にかつ切り残しをしないようにすることは大切であり, 当院で行っているこだわりを中心にお話しします。まず, 手根管直上に2cm程の皮膚切開を加え, 皮膚と同方向に皮下脂肪組織を切離して脂肪組織を手掌腱膜より鈍的に剥離します. その後皮下脂肪を筋鈎にて避けて、手掌腱膜を展開します. 手掌腱膜を縦切して, 縦切した手掌腱膜を皮下脂肪とともに牽引することで術野が観やすくなります. 横手根靱帯を筋鈎にて橈尺方向に牽引することで緊張をかけ, 尖刃刀の先端で緊張した線維を同一方向に切開部をなぞるように切離していきます. 横手根管開放術靱帯が薄くなった時点で, 両側端鈍鈎の曲がりの部分を用いて最も薄くなった部分を探し, その部分を貫くことができれば, 横手根靱帯を引き上げる事で正中神経から引き離し, 鈎のかかった部分を尖刃刀で切離します. そのことで手根管の一部が開放されたことになります. 開窓部から粘膜ベラを挿入して正中神経を保護しながら, 尖刃刀で開窓部を拡げ正中神経を十分に展開します. 正中神経が十分に展開できてからデリケート型剥離剪刀にて中枢, 末梢方向にそれぞれ切り残しをしないように押し切りをします. 直視下の開放術では中枢側に切り残しを起こしやすいと言われており, 十分に横手根靱帯を切離します. 中枢の切り残しを防ぐ目的に前腕遠位に小切開を追加する施設もあるようです. 創内を洗浄した後, 創を縫合すれば終了です. 以上ですが, それぞれの施設のやり方やこだわりは, 異なる点があるかと思いますが, 多くの施設から動画をアップロードしていただき, いいとこ取りをすることで患者様により良い医療の提供ができるようになる事を願っております.
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