骨粗鬆症における上腕遠位端骨折の治療ー通顆骨折を中心にー
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2023-9-27 17:27
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後期研修医対象. 骨粗鬆症における上腕骨遠位端骨折の治療―通顆骨折を中心にー:高齢者の上腕骨通顆骨折の問題点としましてまず, 上腕骨通顆骨折は, 遠位骨折片が小さく骨癒合が得られにくい上に高齢者の場合は①関節の拘縮を来たしやすく長期固定は困難であること, ②骨粗鬆症のため粉砕を伴うことがあること, ③上肢を荷重肢として使用するため骨折部に強い回旋力が加わることなどが挙げられます. そのため, 転位の少ない上腕骨通顆骨折においても手術にて強固な内固定と早期運動療法を行う必要があると一般的に言われています. 今回は, 保存療法の失敗例を紹介し, 転位が増強すれば早期に手術療法へ切り替える必要性を説明します. また, 手術療法を選択する場合は強固な内固定が必要となり, locking plateでの固定となりますが, 尺骨神経障害を来さないために工夫が必要となります. 尺骨神経の後面のみを剥離し,神経の走行を確認したうえで, 尺骨神経の滑走床を尺骨神経の橈側で切離し一塊として内側に避け, 骨折部を骨膜下に展開します. 骨折部を整復し仮固定後に内側にlow profileなplateを側方から当てます. その後に尺骨神経を滑走床の軟部組織とともに元の位置に戻して縫合することで神経とplateとの干渉が避けられ, 尺骨神経の前方移動が不必要となります. 当院では2015年以降現在まで23例の高齢者の上腕骨遠位端骨折手術全例に同法を行い尺骨前方移動術は行っておりません. また, 同法にて術後尺骨神経麻痺を呈した症例も認めません. 最近ではサージカルテクニックとして掲載されている手技ですが, 後期研修医の方には是非身につけて欲しい手技だと思います.
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