Masakazu_Aoki
DoctorLv2
松本協立病院 心臓血管外科 青木雅一 当院で行っている手術の紹介です。
Japan
Follow
Friend
最初の見立てを間違った形成、3D MICS-MVP+MAZE
16:08
最初の見立てを間違った形成、3D MICS-MVP+MAZE
MICS MVP+full-MAZE using 3D endoscopy and 4K display. 3D内視鏡4K画像による完全鏡視下僧帽弁形成術+両心房MAZE ・症例 71歳女性 BSA1.23 就労中の医療従事者 ・他院にてMRとAfによる心不全を発症、完全鏡視下の手術を希望され当院受診。   手術時間    4時間47分   人工心肺時間  3時間25分   大動脈遮断時間 2時間32分   入院期間    11日間   術後から洞調律を維持 僧帽弁形成は術前に決めたプラン+αで、すんなりと逆流が制御できることが多いが、時には自分の見立てと違い、うまくいかず、術中に疑心案着になてしまい、冷静さを失い、あれやこれやと追加していくうちに、心停止時間だけが過ぎていき、弁置換となってしまうこともある。 この症例も、交連病変であり、いつもなら逸脱部位を縫いつぶして逆流を制御しているが、今回は最初に短すぎた人工腱索を建てたことで話がややこしくなり、リングを付けた後も逆流が制御できずに、弁置換が頭をよぎった症例である。 結果的には、自分の定石に持ち込み形成可能であったが、こうした症例ほど、あとから冷静に動画を見直すと、いつもと違うことをしている自分がいたりして、反省点も多く、非常に勉強になるのである。 完全鏡視下手術では、すべての手技が、あとから動画で見直すことができるので、こうして動画を編集する際に、毎回、復習できて、反省点を次に活かすことができるため、有意義である。 この症例を通じて思うことは、弁形成は、あれやこれやと手技をMIXするより、やはりシンプルなプランが一番決まる。 そして、いくらエコーで計測したところで、実測に勝るものはなく、手を惜しまず、実測したものに合わせるべきだと感じた。
276
0
Repost
Comments
Likes
穿刺に負けない鼠径部(大腿動脈)のカットダウン方法
10:25
穿刺に負けない鼠径部(大腿動脈)のカットダウン方法
・近年、ステントグラフトやMICS、TAVIといった大腿動脈を露出する手術手技が増えている。 これらは低侵襲な治療がゆえに数日で退院可能であるが、創部のトラブルで入院が長引いたり、再入院するようでは本末転倒である。 ・当院でも穿刺で使用可能な縫合デバイスであるpercloseを2年ほど使用していた時期があったが、石灰化の強い血管や抗凝固療剤、抗血小板剤など内服中の症例などで、止血困難や後出血となる症例や、デバイスによる血管の損傷、狭窄をきたす症例が一定数存在していた。 ・あらゆる症例に対応するために、現在行きついたカットダウンの方法を紹介します。合併症もなく傷の大きさや痛みなども穿刺とほぼ変わりません。  1,10-15mm程度の小切開  2,最小限の剥離  3,血管鞘のつり上げ  4,タバコ縫合ではなくU字縫合 この方法を開始して2年、術後トラブルや追加治療はほぼありません。  メリット ・10-15mm程度の創のため感染やリンパ漏といったトラブルはゼロ。 ・術後の痛みも少ない。 ・血管鞘の吊り上げにより血管が浅くなる。穿刺が容易。 ・ほとんど剥離しないので、出血や損傷もない。 ・U字縫合x2にすることで狭窄することはない。外反になっているので追加縫合も容易。 ・開創器が必要なくなり、ラインの絡まりもなく、透視の邪魔にもならない。 ・再手術でも癒着が少ない。 デメリット ・出血や血管損傷などのトラブルに対応しにくい。 ・慣れるまでは時間がかかる。
0
0
Repost
Comments
Likes
Reward
Total
Received people's reward this month